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都心の超高層建築 [自然と人為]

1)東京・墨田区で建設されている「東京スカイツリー」(完成時の高さ634メートル)が29日午前10時17分、東京タワー(港区、1958年完成)の高さ333メートルを超え、国内で最も高い建築物となった。(読売新聞)
2)日本最大級の郊外団地、多摩ニュータウンで約40年前に最初の分譲があった「諏訪2丁目住宅」(東京都多摩市、640戸)の住民が28日、集会を開き団地の全面建て替えを決議した。賛成は区分所有法が定める所有者数の8割を超え有効となり、同ニュータウンで初の建て替えが決まった。現在の5階建て23棟は、13年秋ごろには最も高層で14階建ての7棟、約1200戸の新築に生まれ変わる。(共同通信)

東京は言うに及ばず、大阪、名古屋等の大都市でビルの高層化が加速している。一方で、ビルの空き室率も高くなっているという。狭い土地を効率的に使用とするための建物の高層化であろうが、危険発生を増幅しているとしか思えない。
日本は地震国である。東海大地震、東南海、南海大地震がほぼ間違いなく続いて発生するだろうというのは大方の地震学者の予想する所である。
超高層ビルは建築技術的に関東大震災クラスの地震に耐えられるだけの構造になっていると豪語している。しかし、いくら技術的に自信をもっていてもそれは人知の範囲のことであって、自然の破壊力は人知を越える場合が多いのが常である。
サンフランシスコの大地震で都市高速道路が崩落した時、日本の道路公団の技術者などは、あざ笑うかのように日本の高速道路の堅牢さを誇っていた。ところが、阪神高速道路の大崩落をあの阪神淡路大地震で我々は目の当たりにした。技術水準が低いのではなく、自然の破壊力のすさまじさがそれを凌いでいるだけのことである。そもそも人知は自然に従うものである。自然のメカニズムを追及し明らかにするところに學問の目的がある。さすれば、対象たる自然の力を越えて人知が成り立つはずがないではないか。人間を必要としないロボットの製作を求めているようなものである。
このように考えると、都心の高層建築については高さ規制をするべき時が来ているのではないかと考える。人の住むマンションは階数規制をし、オフィスビルは高さ規制をすることである。そうすることによって、地価の下落を押しとどめる経済効果も生まれるであろう。震災後の復興についても素早い対応が間違いなくできるだろう。
都会のビルの高層化は建築の刹那主義である。そうした刹那主義から脱却するために為政者も技術者も知恵を傾けなければならないであろう。そうした問題を考えさせるのが高さを誇ろうとしているスカイツリーである。人知の浅薄さの象徴なのかも知れないのである。
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