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腹腔鏡手術と口腔外科の読み方 [言葉]

テレビやラジオでは、表題の腹腔や口腔は、「ふくくう」「こうくう」と発音されている。
前者は知らないが、後者について、昔は「こうこうげか」と読んでいた。いつ頃からか、「こうくうげか」と読むようになって、耳慣れない読み方をすると思っていたが、腹腔鏡は「ふくくうきょう」と読むのが定着しているようである。いずれの場合も、「腔」を偏旁の「空」の発音「くう」に引き寄せられて、漢字本来の発音である「こう」を転化させて「くう」と誤読してのことだと推測できる。
漢字の発音それ自体が時代とともに複雑に変遷して正しい漢字の発音がどうかという問題になると、音韻研究の専門家でも厄介な問題領域であるようなので、「こう」を「くう」と読んだからとて別段正しくないとは言えない。
このような例の顕著なのは、消耗の「耗」である。「耗」の発音は正しくは「こう」であるが、偏旁の「毛」の発音は「もう」なので、それに引きづられて「消耗」の発音が「しょうもう」になり、それが定着したのである。だから「しょうこう」と読むと、聞き手は咄嗟に意味がとれないだろう。これも「減耗」となると「げんこう」と発音されるのが通例である、と言えるほどの自信はない。
口腔にせよ、腹腔にせよ、消耗にせよ、概念の表記には漢字を用いていて、その読み方は漢字の発音を日本語のように便宜化して表現しているのだから、「こう」であろうが「くう」であろうが、神経質に拘ることはないかもしれない。
ただ、言葉は精神活動を外在化させているので、思惟や思考と深い繋がりをもつことは言うまでもないので、古人も言うように「言は慎まざる可けんや」ということなるのである。
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