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パナソニックの経営再建 [企業活動]

前年度決算で、製造業として過去最大の7800億円を越える大赤字を計上したパナソニックは、本社機能の人員を7分の一の数百名規模にまで絞り込んで経営能力の立て直しを図る再建案を提示している。巨大化した企業活動の見直しの第一歩なのであろう。
家電業界では、三洋電機はパナソニックの傘下に入り実質統合され、ラグビーのサンヨウはなくなり、シャープも台湾企業の支援で辛うじて再建を図ろうとするほどで株価もそれに見合って安値を更新している。韓国のサムソンが大幅な経常益を計上しているのとは好対照である。このような状況をもたらした原因はいろいろあるのだろうが、一つは企業活動が巨大化して社員と組織の一体化が希薄になっている点にその一因があるのかもしれない。
パナソニックの製品の修理に来た技師が、卓上におかれていたパナソニック製のテレビを見て、自社の製品であるのに感心していたというのを家人から聞かされて、パナソニックの企業活動に疑問を抱いた。少なくとも新製品が出れば、社員や系列の社員に先ず周知するようにすることも大切ではないかと思う。
パナソニックの社員がすべて自社の製品について知悉していることは不可能であろうが、社員全員に新製品に関する情報を提供しているかどうかである。莫大な広告費を投じているのだから、自社の社員に自社の製品知識を持たせることはそれほど難事ではないだろう。自社製品の広告塔にならないまでもある程度の知識は把持させるような企業活動が再生の第一歩かもしれない。組織が肥大化して社員が組織の歯車の一つになってしまっていることも業績低迷の一因があるのではないかと推測している。パナソニックは今でも小さな町にも専用の店を張り巡らせている。にもかかわらず、社員が自社の製品知識を持つようにさせていないことは、一つの陥穽のように思う。
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企業の海外移転 [企業活動]

電力対策を理由に三年以内に海外移転を考慮している企業が四割に達すると報じている。円高も移転の要因になっているようである。
電力不足を理由にした海外移転希望は些か脅しの気配を感じる。原発停止に対して経団連などが雇用問題を絡めて政治的圧力をかけているように思える。電力不足で海外移転をしたとしても、どこの国に移転するのであろうか。アジア地域に生産拠点を移す考えのようだが、今や中国も電力事情は逼迫しているし、労賃も高くなっている。他の東南アジアでも各国の経済活動は活発になっているから、安定的な電力確保が得られるかどうか不透明なように思われる。もちろん、十分な調査で立地を探すのであろうが。
そもそも震度6の地震で東北や北陸の原発は故障して運転停止に追い込まれたのである。どうして経団連などはそうした脆弱な原発政策の是正を迫ってこなかったのであろうか。要するに政官財の無能と脆弱さを露呈させたのが今回の大震災である。
円高是正の要望というのも奇妙である。ギリシャやイタリアなどの財政危機がユーロ安を招き、アメリカの財政問題がドル安の要因になって、巨額の財政赤字を抱えている円が安全な通貨として買われているのも実に不可思議である。相対的に安全な通貨と世界のマネーは判断しているだろうが。
円高是正には為替介入が求められる。この為替介入も、言ってみれば、国民の税金の投入であって、企業の利益を税金で生み出させているようなものである。今やグローバル企業は巨額な余裕資金(現金)を貯め込んでいるというのは周知のことであるから、為替介入でまた利益を得ようというのも虫のいい話である。
そもそも変動相場制というのは、自由な経済活動の所産であるはずだから、自由な経済活動の結果、円高とか円安になるのは当然であって、適正な利益を得るには一ドル85円台が望ましいとか言うのはおかしい。それなら固定相場制にすればよいのである。
日本の国債の格下げがあったが、これは日本の財政赤字減少の見通しが立たないのがその理由である。消費税を20%まで引き上げても、巨額な財政赤字はそう減らないだろう。今の円高などは早晩円安になるに相違ない。その時は、輸入に頼る石油や資源高を招き、輸出もままならなくなる恐れは十分あり得ることだ。
ソニーや日産のように途方もない報酬を得ている経営トップが率いているような一種の多国籍企業のために、税金を投入した為替介入をするのはどうも腑に落ちない。
電力の供給にも税金が投入されている。企業の納める法人税を軽くせよ、さもなくば法人税の安い国に本社を移そうとする行為も愛国心の欠如すること甚だしい。
そもそも経済活動を通して利益を得ることは難しい。その難儀な所業に当たっている人間が経済活動に起因する厄介な問題、つまり利益水準が維持できない事態がくると、国の力を求めるのはある意味では身勝手なことである。利益を追求する行為は身勝手な行為なのであるが、社会的責任も忘れるべきではないだろう。
そもそも経済活動の本質とは何か。資本主義や自由経済の本質的問題はどこにあるのか、古くて新しい課題なのであろうが、課題は課題とされたままで経済活動の事実だけが肥大化しているのが現実なのだろう。
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