SSブログ

西武HD株のTOB [政治と経済]

アメリカの投資会社サーベラスが西武HD株式の買い増しを企図してTOBがなされている。40%超の株式取得を目指していると報ぜられている。内容が白日の下に晒されてからは否定しているが、西武の経営陣に路線廃止や球団売却などを提示しているのは、企業価値を高めて高値での株式の再上場を狙っているからとか。
サーベラスは取得価格よりも高値がついた時点で売却して利ざやを稼ぐというのが投資ファンドの基本的方便のようである。ハゲタカファンドと称せられる所以でもあるとか。株式は安いつまり企業価値が低いと判断した時に買って、企業価値が高くなって株式が高くなれば売るというのが株式売買の一般的やり方であろう。
今回、サーベラスは再上場時での企業価値を高くするために、元金融庁長官の五味氏を社長にし、かつアメリカの大物政治家や経済人を経営陣に加えることも提案している。
五味氏は、西武が証券取引法違反で上場廃止になった時の金融庁長官である。恐らくトップとして西武の会計処理の不適切さの内実や企業経営の実態をきちんと理解把握していたことはほぼ間違いないだろう。その当人が投資ファンドの要請を受けて社長になるというのは退任しているとはいえ、職務上知り得た情報への対応ということも含めて重大な公私混同になるのではないか。少なくとも節操という点で如何かと訝しくなる。
同氏は、テレビ出演の合間に、キャスターから今回の問題について真偽を質された時、サーベラスは上場廃止後の(企業存亡の)リスクを取ったのだから、それに見合う果報を得ることは何ら問題ではないだろうとの見解を披露していた。
本当にリスクを背負わされたのは、株主優待などを期待してもっていた一般の株主であったろう。上場廃止になったのであるから、一般の株主も原発事故で低落した各電力会社株の所有者以上に憂き目をみているだろう。
リスクを背負うというのは文字通りリスクを背負うのであるから、球団売却や路線廃止を主張することと背馳することになるのではなかろうか。社長就任を引き受けた五味氏の所説も甚だ偏っていると思うがどうであろうか。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。