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宰相の言葉 [天命]

圧倒的支持を得て麻生氏が自民党総裁に選出され、昨日衆議院で92代首相に指名され、組閣も終えた。
総裁選出時の挨拶の言葉で「選挙で勝って天命を果たしたことになる」と言う。
総選挙で勝つことで政治権力を確実にすることは、天下を取ることを意味する。その意味では天命が賦与されたということになる。伝統中国の王朝も天命の支持を得たものが天子になるのだと考えられていた。
ところで、言葉尻を論うのではないが、選挙で勝って天命を果たしたというのは、如何にも浅薄であろう。言葉が浮いているのである。天命は使命でもある。天命を得て、宰相になるということとそれに伴って果たさねばならぬ使命とは相即である。選挙で勝利して天命を得ても、使命を果たさねば天命は去るのである。政治権力奪取が目的化されているに過ぎない発言と言わざるを得ない。
狭義では、天命は国民の一人一人にも賦与されている。その天命の支配者になることの意味が伝わってこない発言ではないか。一言以て之を覆うならば、国民不在なのである。
補正予算を阻止するとは考えられないと与党の関係者は言う。阻止されないような予算を組むことは忌避して成立だけを問題にする。予算は政党の政治思想の反映であるとすれば、立場が異なれば、予算に対する評価も異なる。ならば政治的立場を無視して補正予算を阻止することは政治的信条の発揮であろう。
政治は言葉である。言葉は精神の発露である。貧しい言葉からは、貧しい政治しか生まれない。
言は以て文(理念)を載す、というではないか。
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