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格付け会社の社会性 [経済における先見性]

格付け会社ムーディーズ・ジャパンは1日、関西電力など電力8社と東京ガスの長期格付けを引き下げたと発表した。格下げ方向での見直しを継続する。

 中部、中国、北海道、北陸、関西、九州の各電力会社を現在の「Aa2」から2段階引き下げて「A1」とした。沖縄電力と電源開発は「Aa2」から「Aa3」に、東京ガスは「Aa1」から「Aa2」にそれぞれ1段階引き下げた。東京電力については6月20日に4段階引き下げて投機的水準の「B1」としている。東北電力と四国電力は依頼がないため格付けをしていない。

 今回の見直しは、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、電力業界に対する政府の支援がムーディーズの想定より強くないとの判断による。関西電力など原発を保有する電力6社については、燃料費の高騰などで事業リスクが拡大したとして2段階引き下げた。<YOMIURI ONLINE>

東京電力福島原発の大惨事がもたらした災厄を契機にして、上記のような格付けの見直しがなされた。
東京電力の社債や株式を保有していた者は今回の暴落で大きな損失を出している。安全資産として保有している知人も百万円単位で損をしているのがいる。お金ほど臆病な者はない、安全なところ安全なところに行き場を求めるとは、よく言ったものである。格付け会社の見識も底が割れていると言ってもよいだろうか。
そのことはともかく、原発については、福島原発に限っても、諸々の問題点が諸家によって指摘され、国際原子力機関からも改善提言が出されている。そうした問題点の指摘や提言を検証することなく、格付けしていたムーディーズジャパンの杜撰さが露呈したといってもよかろう。これは東京電力の野放図な経営と表裏一体となっているということもできる。事故後の東電のお粗末極まりない対応や事実隠蔽の体質も露わになったのである。格付け会社と被格付け会社の関係は、国民の安全を守るべく設置されている原子力保安院と東電などの電力会社との関係に酷似している。
どこかの少年グループの未成年の喫煙が大ニュースのように厳しく報道されている一方、国や巨大資本の大きな悪事は批判的に報道もされない。小さな悪事には厳格に、大きな悪事には寛大にどころが放置している。
戦前、大本営発表をそのまま報道して国民を欺いていた大新聞は、今回の大震災に伴って生じている原発事故の実態についても殆ど国や東電に近い報道をしている。
変わるような国民性は国民性とは言えないという定義が正しければ、われわれはまた同じ過ちを背負ってしまうのであろうか。
蛇足だが、管首相は解散権をちらつかせ政権の延命を企図しているとか言われるが、解散して一番に落選するのが現職の首相である当の管氏自身であることを察知していないとすれば、この難事の対応能力がないことを証明しているのだろう。どちらが卵か鶏か?
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