SSブログ

1着9900円のスーツ [政治と経済]

スーツの値段は下がる一方で、1着1万円を切るものまで登場している。

「9900円という価格設定が可能なのは、全国チェーン店ならではの大量生産、大量販売だからこそ。生地や縫製の大量発注でコストを大幅に下げている。

 さらに中国の工場の暇な時期に作業をさせて、工賃を繁忙期より2割安くするといった工夫も。最近では、中国よりも人件費の安いベトナムやペルーなどからの輸入も増えている」(業界関係者)

 店頭での人件費や運送コストなどを含めると利益は1着あたり1400円ほどだという。一方で、「2着目は半額」にしている店も。(週刊ポスト2013年2月15・22日号)

安倍首相の物価上昇率2%目標と上記の記事の現実とは如何にも乖離がありすぎる。需給バランスが完全に崩壊している商品領域の方が遙かに大きいのでデフレ経済が深化しているのだと考えると、新しい分野での成長戦略の具現化しか日本経済再生の道はないように思う。

安倍首相の施政方針演説では、経済再生のことが中心課題とし強調されて、原発問題や国民生活の問題は敢えて避けていた。否、避けざるを得なかった。福島原発事故も放射能は目に見えない存在で、直接人を殺していないという中電社員の暴論と何処か通ずる現実認識が根底にあるので、目先の問題だけを敢えて取り上げて強調しただけのように思える。一種の修辞による目眩ましであろう。
為政者は問題の本質を剔抉して現実の対応課題としての優先順位を示すのが務めだと思う。現実に放射能問題で苦しんでいる多くの人がいる中で、その問題について施政方針演説で深刻に問題にしなかった内閣の支持率が高い所に国民の問題意思が那辺にあるかを考えさせられて興味深い。

公共事業擁護論 [国家財政]

「すぐできる経済再生は公共事業。公共事業悪玉説がはびこっているが、何が悪いのか。世間で無駄だ、ばらまきだと言われているものが、岐阜市民、岐阜県民の幸せのために、価値ある社会をつくるために、やらなきゃならないこと。いたずらに言葉に振り回される政治じゃなく、敵がいてもしっかりやり抜く政治をつくることで、強固なふるさとをつくる。それが子どもや孫たちに残せる正しい大人としての生き様だと思う。」(朝日新聞デジタル)
上記は、自民党野田総務会長の発言である。安部首相も公共事業による雇用創出を力説している。
このような考え方で國の財政を運営してきた自民党政権のツケが今日の経済的停滞を招き、デフレ経済に落ち込んだ最大の要因であった。それが次の世代に負担を残すことになっているにも拘わらず、「子どもや孫たちに残せる正しい大人としての生き様」という。何という自己撞着であろうか。
安全と安心を損なうような原発を数多く建設してきたが、、エネルギー政策の実施と言えば、聞こえが良いが、広い意味で言えば、公共事業による財政のばらまきである。それが安心安全どころか、不安と不信の温床になっていることは歴然たる事実であるにも拘わらず、目をそらして付け焼き刃的政策対応で刹那的再生を試みようとしてきた事実などなきが如くに旧態依然とした政治的プロパガンダを展開している、と言っても過言ではなかろう。
明日の希望より今日のパンを求める発想は、物価上昇率2%という基本的な政策理念とも相容れないのではなかろうか。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。