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人権問題と米国の核兵器工場 [欧米人の論理]

 【ワシントン=黒瀬悦成】ギブス米大統領報道官は20日、中国の胡錦濤国家主席が19日の米中首脳会談後の共同記者会見で、「中国は人権問題に一層取り組む必要がある」と述べたことに関し、「人権状況を改善する必要性を率直に認めた中国首脳はいなかった」とし、「高く評価する」と語った。
 胡主席は、人権問題に関する米記者からの質問に最初は答えず、「通訳の問題で質問が聞こえなかった」と釈明。米メディアの間では「質問を黙殺しようとした」との観測が支配的だ。
 報道官は、「大切なのは、胡主席が(人権状況)改善の必要性を世界に表明したことだ」と強調し、「我々は、発言が実行に移されるかどうか、注視していく」と語った。(読売新聞)

中国に於ける人権問題は確かに民主主義国家とは異質な面があることは事実である。共産党の一党独裁の政治支配体制では人民の権利が圧迫されることが多い。ノーベル平和賞受賞者の劉氏が政治犯として拘束されて授賞式にも出席できなかった。これに対して、オバマ大統領は劉氏の釈放を求めていた。

先日アメリカに於ける核兵器工場の解体廃棄のドキュメンタリーを見たが、そこで働いていた労働者の深刻な被爆実体が明らかにされていた。その被爆に対して治療等を求めた旧従業員に対して連邦政府は一切無視して対応しようとしないという。旧従業員は核兵器工場で就労しているときは、職務上の守秘義務を課して、何処に務めているかを口外することは許されなかったし、真面目な従業員は家族にも内密にしていたという。もし口外するとスパイ罪の適用までちらつかせていたという。どこに核兵器工場があるかは軍事上の高度な機密事項であるからだろう。
そのことはともかく、老朽化した核兵器工場の解体廃棄が進められるなかで、この核兵器工場の解体も当初の計画よりもずさんになされ、工場跡地を覆い隠して中途で放置されていて、最終的には立ち入り禁止地域に指定してことがすまされている。その跡地の放射能汚染の恐れがあるからである。

こうした事実を報道させているところにまだアメリカの民主主義の健全さがあるのだろうが、そのことはともかくオバマ大統領も他国の政治犯の釈放を言いつのる前に、自国民の被爆者への治療に取り組むべきであろう。
アメリカには核兵器工場が100箇所近くあるという。それらの工場でも従業員が被爆していることはほぼ間違いないだろう。表沙汰にしないだけのことである。
アメリカに限らず核保有国の核兵器工場でもアメリカのそれと違わないレベルのことが生起していると考えておく方がいいだろう。それぞれの国で核兵器工場の老朽化をうけた解体などが実施された時に更に深刻な問題を投げかけるかもしれない。
我が国にも核兵器保有を叫ぶ者がいるが、作ることも大変だが、後始末はもっと大変な代物だと言うことを知っておくべきだろう。
このドキュメンタリーの映像は数多くの人が一見するに値すると思う。



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