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円売りドル買い介入 [国家財政]

<安住淳財務相は31日午前、ドル買い/円売りの市場介入を実施したことを明らかにした。介入は単独介入。午前10時25分から行ったという。安住財務相は「実体経済を反映しない一方的・投機的な動きが続いている」としたうえで、「納得いくまで介入する」と語った。>(東京31日ロイター)
75円台の戦後最高値をつけていたドルが79円台まで円が下落している。相当強いドル買い介入を実施したのだろう。恐らく、様子見で下落しただけだろうと推測する。当面は、75円から80円前後でドル円は推移するのだろうが、諸家の見解を聞いていると、結局は円高の方向に向かうのが趨勢のようである。
投資先として円が買われているのではなく、欧州の金融危機を背景に避難通貨として円が買われているとか、あるいは、ドルの実態が過大に評価されていた、裏返せば円が過小評価されていたことの修正がドル安円買い、円高の進行だと言われたりしている。円とドルとの関係は、諸々の経済的数値すなわち米国の財政収支や貿易収支の額などに照らすと、50円台が適正で、その水準まで円高になるという見解もある。
円高で企業が悲鳴を上げているというのは、共通の認識である。
財務大臣は、「実体経済を反映しない一方的・投機的動きが続いている」「納得いくまで介入する」と説明しているが、むしろ世界の実体経済を反映して円高が進んでいると理解するのが合理的ではなかろうか。ドルの実態が過大に評価されていた、つまりドルの垂れ流しが日本が世界最大の債権国になっていたというふうに理解すべきかもしれないのである。実力以下に評価されていた円と実力以上に評価されていたドルの関係があったから貿易収支における巨額な黒字をため込むことができた。それが今正当に評価されてドル高の修正となり、円高になっていると理解すべきかもしれない。有り難く儲けた時には、恩恵を最大限に得て、困った事態が来ると悲鳴を上げているに過ぎないというように理解できるかもしれない。
そのように考えると、財務大臣が言うように、納得するまで介入するとなると、どのような納得の仕方になるのか分からないが、結果としては、ドルを貯め込むということになり、世界最大の債権国になるというのは見やすい道理ではなかろうか。そして、円を売るということは、円資産を減少させることになり、国富を減らすことになるだろう。ドルという弱い通貨を貯め込むことは、今後のドル安、ドルの水準訂正の中で、所有しているドル資産はますます価値を減じることになろう。
円高を言いつのって、1ドル90円台で円売りドル買いの介入して得たドル資産は今や価値を減じている。1ドル75円台で円を売って買ったドルは、1ドルが50円台に下落すれば、巨額のドル資産の価値減少を招くだけであろう。その意味では円売りドル買いの市場介入は国富を毀損させているだけにならないであろうか。
このように考えると、ドル安ユーロ安ポンド安を奇貨として、むしろ金を買う方が国富を豊にするのではないかと考える。ド素人の愚かな考えであろうか。
将来、ドルの水準訂正が図られて、円安の流れに移った時に仕掛けられる投機資金による円売りの事態が来る方がむしろ国益の損失が大きくなるだろう。企業の海外移転による、産業の空洞化の事態よりももっと深刻な経済状況を招くのではないかと推理する。
円売り介入よりも、円高をもっと有効に利用することを考えるのが政府・日銀やエコノミストのやるべきことではなかろうか。
目先の利益にとらわれて大きな利益を得る機会を失わないことではなかろうか。事実と論理をもっと重視すべきのように思う。
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