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派遣教員問題 [教育]

先日のNHKのクローズアップ現代で高校教育の現場で派遣教員が盛行している実態が取り上げられていた。同じ非常勤講師でも、高校側が面接して採否に責任を持つのに比べて、派遣教員の場合は、人材の良否は派遣業者の責任に委ねられている。しかも、待遇面でも派遣教員の方が落ちるという。派遣業者が利益を得るのだから当然であろう。
その中で紹介されていた事例では、所謂進学クラスには派遣教員は配当させることが殆どない。教育効果をあげるために専任教員に授業を担当させているのだとか。経営の効率化ということで派遣教員を利用しているであろうが、進学クラスに当たらない生徒は派遣教員が授業を担当するというのは、平等に教育を受ける権利を剥奪していることになろう。経営の視点で派遣教員を利活用しているのであれば、当然生徒の授業料負担は軽減させるように父兄は問題提起すべきであろう。学校が経営の合理性を考えるなら、父兄や生徒も教育の質に見合う授業料しか出さなくてよいはずである。合理的根拠を学校自体が示しているのだから。
私立の高校では、進学率を上げるために特別なクラスを作って、そのクラスの生徒の授業料を減免したり、場合によっては、奨学金まで支給するという。従って、優秀な生徒には交通費と受験料を学校が負担して、有力大学を何校も受験させて、合格率の実績をあげる方便をとっていると聞く。甲子園に出るために優秀な選手を特待生で集めて学校の名を上げようとするのと同じである。
思うに、生徒が教師に求めている最も大切なことは、依怙贔屓をしない、平等に一人の人格として教師が接してくれることである。卒業後でも、分け隔てなく接してくれた教師を慕っているということを見聞きして知っている。
入学時点で、進学クラスと通常クラスの区別が存することを知って、入学したとしても、教育の質の点で差をつけることは機会均等や公平さの原則と理念に背くことになるのだから、当然質に見合った対価つまり授業料を支払えばよいということになろう。
教育産業という言葉が使われるが、学校法人は税法上の特典も与えられているのだから、利益追求だけに目が向いているのは教育機関としての重要な社会的責任を果たしていないことになるだろう。
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