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交流戦倦厭論 [プロ野球]

24日付け日経新聞スポーツ欄のコラムで豊田泰光氏が、8年目を迎える交流戦に新鮮さがなくなってきた。オリンピック並みに四年に一度にしてもよいのではないかと、自らの感性の鈍化に目をつぶった感想を書いている。
理解力や理屈の点ではまだまだ衰えていないと言えるのだろうが、この論調には彼の感性の衰えを感じた。自分の感性の衰えを全ての人に当てはめているのではないかと感じる。
交流戦は当初6回戦総当たりで1球団36試合で行われていたが、セリーグ側が観客動員減少問題と絡めて4回戦、一球団24試合になった。周知のことである。そしてまたこれまでパリーグの球団が全部優勝している。リーグ間の勝敗でも一度だけセリーグの球団が勝ち越した年があって、後は全てパリーグが勝ち越していて、一昨年かは一位から六位までがパの球団が占めていた。今年は現時点で巨人が優位を維持している。これは杉内投手ホールトン投手を加入させた結果だから、驚くに当たらないという。勝負事はゲタを履くまで分からないないから、豊田氏が予想するように今後も展開するとは言えない。それになによりも何時までも巨人に拘って居る感性の停滞が感じられる。巨人中心に動いていると感じているのは、読売というマスコミ権力の作った過去の遺産に必要以上に囚われているとしかいえない。テレビででも交流戦の各試合を観戦しているのだろうかと思う。昨日などは、パリーグの主催試合だったとはいえ、どの球場も観客動員は相当な数に上っていた。決してファンは倦厭していないと言えよう。
歴史の積み重ねは、それに応じて楽しみの変化を生み出してくれる。今年くらいはセリーグの球団が優勝しないといけないとか、個人記録にもいろいろな興味を抱かせることが積み重ねられてくる。
これまでの勝敗や優勝チームが、セリーグとパリーグが逆であったら、恐らくパリーグはマイナーリーグとしてマスコミを利用した宣伝がなされていたろう。パの優勝チームは社会人や学生の優勝チームと争って、セリーグの優勝球団と日本一を決めるシリーズをやったらいいというようなパリーグ蔑視の見方が大手を振っていたかもしれない。
今年は、杉内投手とホールトン投手が巨人に移籍し、ダルビッシュ投手や和田投手はメジャーに移り、楽天の田中投手は調整中、涌井投手も先発を外れた上に登録抹消というように、パの主力投手が抜けている中でも現時点ではパリーグの球団の勝ち星が優勢である。
交流戦が始まってから、オールスター戦がつまらなくなったというのも腑に落ちない。川上選手などが出ている昔からセリーグの選手はどこかオールスター戦に手を抜いていたのである。パの選手は全国区を目指して気張ったのであるが。恐らくファンの絶対的優位に無意識のうちにパリーグ蔑視の野球観が身についたのだろう。その伝染力から未だに免疫力をつけていない意識が豊田氏の倦厭論に横たわっている。それを感性の停滞といい鈍化と言わずして何と言えばよいのか。
韓国や台湾との真剣勝負をプロ野球の化石化脱却の処方箋の一つとして挙げているが、その前にプロ野球機構そのものが巨人を中心としたオーナー勢力から組織として完全に自立することが先決だろうと思う。審判の統一はよかったが、昨年の開幕日延期問題で見せたコミッショナーの対応力の貧弱さを思い出せば、思い半ばを過ぎるだろう。コミッショナー自立から新しい企画が生まれるのではなかろうか。
交流戦倦厭が主流になることが、プロ野球の沈滞脱却の一方法ではないだろう。
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