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日本ハムの大谷選手指名 [プロ野球]

明日はドラフト会議である。日本ハムは大リーグ志望を表明した大谷投手を指名すると公言した。メディアも強行指名という表現で伝えている。プロ志望届を提出している選手を指名してどうして強行指名と言えるのか、解せない。
ドラフト前に大谷選手が進路を表明したのは、菅野投手が意中の球団以外が指名権を得た場合は海外に活躍の場を得ると言っているのと同じであるから、ドラフト制度への挑戦とも言えるであろう。大谷選手をハムが指名するのはドラフトの精神を忠実に守っているに過ぎない。
大谷選手のスカウト活動について、以下のような問題点が指摘されている。
<「おそらくメジャー球団との契約が実際にまとまれば(花巻東の)佐々木監督は高野連から経緯に関する事情聴取を受けることになるでしょう。特定球団のスカウトを何年も前からグラウンドに出入りさせている。ドラフトの交渉権獲得まで接触が禁止されている日本の球団にとっていら立ちはこの上ない」

さらに「その間に本人や監督とどんな接触があっても不思議ではないし(タンパリングの)証拠がなければペナルティーも科されない。今回の一件でNPB側から相当な反発が出るでしょうし、高野連としてもMLBを規制するルール作りはせざるを得ないでしょう」と続けた。>(東京スポーツ)
上記の記事通りなら、大谷選手は未成年であるから、監督すべき立場にある佐々木監督は明らかに高野連憲章を逸脱しているとも言える。東海大学野球部横井監督といい、佐々木監督といい、野球の指導者としては優れているのかもしれないが、選手を媒介にして、筋の通らない道を歩んでいるようにも思う。
野球の強豪校は、経営者も含めて、中学やリトルリーグの優秀な選手をおだてて集め、競争させて甲子園を目指すというのが常套手段のようである。だから15歳の少年の自負を逆手にとって、悪く言えば、競争に負ければ、能力がなかったからだとして切り捨てるのが常だろう。勿論いろいろ面倒を見ている指導者も数多くいる。
プロ野球界が頂点に立って、人材を集めている姿が下部構造に反映しているに過ぎないのだろうが、日米のスカウト活動に不平等が生じているのは理不尽であろう。
制度上どうなっているのか不案内だが、大谷投手が米球界を進路対象とすると表明した時点で、プロ野球志望届を撤回したことになるのか、日米共通のプロ野球志望届なのか、加藤コミッショナーも「個人の意思を尊重する」というような当たり前のことを言う前に、ドラフト制度実施者である日本プロ野球機構の責任者としての見識を示さなければならない。
レッドソックスの田沢投手もドラフト制度を忌避してメジャー挑戦した一人であるが、現時点では日本のプロ野球で活躍する程度のレベルと言ってもよかろう。
その点では、マック鈴木選手は初めから米国球界に飛び込んでメジャーリーガーになった希有な一人であった。その彼も日本の球界ではそれほどの活躍をしていない。一方、日本のプロ野球界ではさしたる成績を残していなかった大家投手のようにメジャーで50勝以上した投手もいて、実力発揮の舞台というのは千差万別であって面白いと言える。志の高さと成果とは必ずしも一致するものではないことは言うまでもない。しかも、スポーツ選手を襲う故障や不慮の事故のことなどを思うと成功しなかった者を軽侮することだけはしないことであろう。数多くの挫折した選手の上に限られた成功者がいるということなのだろう。
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