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目くそ鼻くそを嗤う(シー・シェパードのことなど) [事実と論理]

今朝の日経新聞の「インタービュー②」阪大社会経済研究所教授大竹文雄氏の論調は興味深かった。税の問題に触れて、「税制改革を実現させる前に首相が正しく税金を払うことだ」と鳩山首相の贈与税脱税の問題を指摘している。正しく指摘の通りである。国民や国民の生命をやたらに強調する首相の感覚が庶民感覚と隔たっていることの証左でもある。もっとも庶民もいかにしてずる賢く立ち回るかを考えているのであるから、同レベルの意識から発する言葉なのであろうか。

今でも金融立国論を主張しているのかどうかは定かにしないが、竹中平蔵氏も納税を巧みに逃れようとした履歴をもつ。
また今回の選挙で議員に返り咲いた辻本清美議員も議員活動費とやらを不当に手にしていた経歴をもつ。
民主党幹事長の小沢一郎氏の政治資金規正法に抵触する行為が問題になっている。

「東京都が年末年始に用意した宿泊施設を利用している失業者のうち、現金2万円の求職活動費を受けた後、201人が所在不明になっている問題で、石原慎太郎知事は8日の定例記者会見で、「どこかでけじめをつけないといけない」と述べ、今月18日とした施設の利用期限を延長しない考えを示した。」(読売新聞)

石原知事が五輪招致のために費消した150億円とも言われる税金、あるいは都民銀行への巨額の融資、細かいことを言えば、公費旅行に家族を連れて行ったという都知事がさも憎々しげに「400万円強」の出費に目を光らせている。何とも奇妙な事実認識と評価と言わざるを得ない。都知事も竹中氏もはたまた鳩山首相も選挙というフィルターを通れば何事も許されると思っているのであろうか。権勢と権力を持つ者の歪んだ論理である。

こうした論理を徹底しているのが、下記の記事であろう。
【ブリュッセル支局】AFP通信によると、シー・シェパードは8日、第2昭南丸の船長と乗組員を「海賊行為」の疑いでオランダ司法当局に告訴した。

 同団体の弁護士によると、オランダで告訴したのは、アディ・ギル号の母船にあたる「スティーブ・アーウィン号」が同国船籍であることなどが理由。

 弁護士は、衝突は「暴力的行為だ」と第2昭南丸の行動を非難。アディ・ギル号の船体は100万ドル(約9300万円)相当の被害を受けたなどと主張している。(読売新聞)

バイキングなどに見られるように、さんざん鯨を捕獲して生き延びてきた連中が調査捕鯨すら攻撃の対象にするという一種のテロ行為に近い暴力行為を繰り返していて、それを告訴するというのも目くそ鼻くその類である。

そもそも巨船に小舟が接触するのはコンクリートに卵をぶつけることと同じだと比喩される。そうした危険を承知で行った行為で被った被害(一種の自爆行為)を告訴するというのである。
第2昭南丸も負けずに日本国の裁判所に告訴するか、国際司法裁判所に告訴しても良いような事案であろう。
オランダの司法当局がどのような判断を下すか、興味深い。

捕鯨問題を裁くのは食文化を裁くことでもある。
子供の頃鯨油から生成されたマクリとかいう薬を飲んだ経験をもち、おでんのコロを好んだ者としてはシー・シェパードの独善的な行為の背後に、非戦闘員を含めてホロコーストと言ってもよい無差別の爆弾攻撃をしたり、原爆投下をした行為に見られる人種差別の意識を感じるのである。
イラク攻撃の時もイラクが核兵器を所持しているというのが事の発端であった。事実はそのかけらもなかったのである。シー・シェパードはそうした多くの子供を含めた人民への無差別の爆弾攻撃をこそ、糾弾すべきであろう。それができないのは、武力制圧を被るからであろう。日本政府は強固手段をとらないという前提で抗議行動を過激化させているという薄汚い根性が見て取れる。

首相の納税問題を指弾している大竹氏は、旧政権の政府税調などの専門委員であった履歴をもつ。
旧政権は憲政の常道である選挙を経ずに成立した政権である。選挙の洗礼を得ていない、民意を正しく反映していない安部、福田、麻生の三首相の政権下で、大竹氏が政府税調委員に就任していた問題意識を問うてみたい誘惑に駆られた。
税法を無視しようとした首相の意識と主権在民の理念を無視した旧政権に荷担していた意識との間には何か通ずる点があるように思うのである。


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