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阿部選手の三冠王 [プロ野球]

先日のヤクルト巨人戦でヤクルトの投手が阿部選手との勝負を避けた、と批判的な見解が見られた。CS進出を確固たるものにしたいヤクルトのベンチが阿部と村田を比較して、阿部との勝負を避けたのは当然のことであった。
阿部選手の三冠王達成の一番の関門は本塁打王であることは、衆目の見るとおりであろう。
打率は群を抜いているが、二位三位にいるのが、巨人の坂本と長野の両選手であるのも微妙である。打率は不調になるとあっという間に下降する。阿部選手の本塁打がダントツであれば、打率を下げないために休むこともできるが、本塁打王獲得が課題なのであるから、試合に出場しなければならない。そこで打率面で微妙な差になった時に坂本と長野の両選手の使い方の問題が浮上してくるだろう。
同じ捕手の野村選手が三冠王を捕った時には、阪急のスペンサーと激しく争っていた。南海の投手が勝負を避けたので、スペンサーはバットを逆さまにして打席に入ったというようなこともあったように記憶する。
外人選手が競争相手になるとまた別の思惑も絡んでくるから、一層個人タイトルの争いは作られる場合がある。カブレラが王会長の記録を抜くような本塁打を放っていた時に、物議を醸した言動もあった。

三原監督が率いていた西鉄でも、豊田選手と中西選手の首位打者争いで、女婿の中西を休ませて豊田にタイトルを奪取させたという伝説化した話もある。

一リーグ時代には、南海の山本選手と巨人の青田選手が首位打者を争っていて、青田の三塁ゴロが内野安打になって、青田が最終的に首位打者になったことがあった。
あの打球処理は山本三塁手が意図的に甘い守備をして内野安打にしてくれた、というのが青田選手の後日談であった。勿論事の真偽は定かでもなく、山本選手もその話を一笑に付していたが、青田氏は、親分の愛称で親しまれていた山本(鶴岡)の人柄を伝えたかったのかもしれない。

坂本や長野両選手は、三冠王の偉業に敬意を払うために、100分の一秒だけバットスイングを遅らせる技術を披露する機会が必要になることがあるかもしれない。

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