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学校法人の無残な経営 [教育]

南山大学が、デリバティブ取引を解約して、230億円弱の損失を確定したという。このうち160億円は昨年に解約して損失処理を確定していて、残余の契約も解約したという。前年度までに清算しておれば、一億や二億円の損失がなくてもよかったのではないかと推察する。恐らく、早い段階で損切りせずに、持ち直すと楽観視して損失を拡大させたのだろう。学生援助や教職員の待遇の問題になれば、十円単位でケチるのが常であるのに、損失が巨額になれば、一億や二億の金銭に麻痺するのかもしれないが、愚かしいことである。
東海地区の大学では、愛知大学が120億円ほどの損失を出している。両大学とも東海地区では私学の雄を誇っているが、玄人でも失敗する危険な商品に手を出した責任は重大である。
全国の学校法人が巨額の金融資産の損失を招いている中で、愛知大学の理事長が、背任で告発されたと報ぜられている。大学の理事長が背任で告発されたのは最初だとか。裁判の行方も注視しなければならないが、起訴されていないとはいえ、告発された理事長が学長職に留まることができるのかどうか、これまたこの大学の学校運営のあり方が問われるだろう。
聞くところによると、この大学の前理事長(学長)が健康上の理由で辞任して、死亡した時に、退職金が規程に従って支払われたという。この前理事長は経営担当の副学長在任中及び理事長在任中にデリバティブ取引を独断で始めた張本人だという。その後任者である現理事長も副学長在任中に積極的にデリバティブ取引を主導して、損失を肥大化させた背任で告発されたと記事は伝えている。しかも内部資料を精査する過程でその事実が明らかになって問題提起されたのに、明確な対応や説明がなされていないために、教授会でも指弾の決議がされたりしているという。一地方の私立大学の経営問題であるが、教育の面では、堅実で着実な大学との評価も得ていた大学であっただけに、その成り行きが注目される所である。


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