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野球評論家赤星氏の走塁論 [プロ野球]

先日の巨人と楽天の試合で、聖沢選手の一塁走者としてのリードオフに関連してリードオフの大きさに触れながら、セリーグの投手のクイック投球や捕手の方が盗塁阻止に対して訓練が積まれているというようなことを言っていた。
昔阪急時代の大エース山田久志投手が現役時代、甲子園の東洋大姫路の優勝投手松本投手に牽制球の投げ方などを指導していたのを見たことがあるが、山田投手がそんな投げ方ではダメだと厳しく指導していた。一般にセリーグの野球の方が緻密で考えた野球をすると言われるが、それも限界をもっていることが交流戦発足以来明らかになりつつあると思う。
盗塁に関して言えば、昨日現在セリーグの盗塁総数は30、パは29で拮抗している。リーグ戦ではセリーグは全部で121盗塁、パは215盗塁である。215盗塁のうち、楽天とソフトバンクの両チームが121盗塁を数えるから、この数値から見ると、セリーグが交流戦でパリーグよりも盗塁数が多いのは、赤星氏が指摘するような点が若干影響しているのかもしれない。
産経新聞は、<交流戦やっぱりセは苦戦?巻き返しのカギは「積極性」>と題した記事を載せている。昨日現在パが3勝リードしていることでセ・パ各球団の成績を分析している。
盗塁も積極性の有無が大きく左右する。積極性の背後には研究もあるが、野球に対する基本的考え方の相違もあるだろう。ソフトバンクと中日の第二戦で、1対4とリードされている場面で、二塁走者の明石が三盗を企て憤死した。スタンドでも点差を考えろとヤジが飛んでいたし、三塁ベースコーチの井出コーチも憮然とした表情にみえた。明石の野球センスの問題なのだろうが、別の視点で言えば、積極的な攻撃野球と言うことになる。この盗塁失敗はチャンスの目のみならずソフトバンクの選手のみならず、ファンの意気をも消沈させたが、成功していると中日に与える衝撃は大きかったかもしれないから、点差以上の意味を持ったかもしれない。スキを見せていたということになるのであるから。スキを衝いたつもりがスキがなかったのが谷繁捕手であった。ソフトバンクの積極的盗塁を頭に入れていたということであろう。
DeNAとソフトバンクとの試合でも、松田選手があわやランニングホームランという走塁をしていた。よく走ったものだと感心した。この走塁ではないが、大魔神の佐々木氏がソフトバンクに小さなミスが多々あることを指摘していた。積極性とミスとは連動する点もあるが、ミスを克服していけば、赤星氏が指摘する訓練をものともしない成果が生まれるかもしれない。
昨年までは余り出場していなかった一軍半の選手がスタメンで出場しているのだから、今年のソフトバンクが交流戦で低迷しているのは当然だろうが、思い切りの良さだけは取り柄なのだろう。
積極性の観点からすると赤星氏の指摘はセ贔屓の嫌いがあるだろう。なべてセリーグ出身でセリーグ中心に解説している評論家はパの試合をきちんと見ないで解説や評論をしている。桑田氏や江川氏はその典型ではなかろうか。
桑田氏などは野球は失敗のスポーツだとひとかどの見識を披露しているが、野球は両チームで行うスポーツだから、一方の失敗は他方の成功なのであるから、立体的に見識を組み立てなければならない。それが野球を大局的に見るということであろう。その点ハムの栗山監督は評論家生活時代に公平に野球を学んでいた成果がいま注目を浴びているのだと思う。
総じていえば、赤星氏もなかなか聞かせる解説をしているから、もっとパの試合をも積極的に観戦することであろう。

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